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コラム

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コラム

喫煙習慣
これまでの疫学研究では、喫煙習慣がメタボリックシンドロームの有病率を上昇させることが指摘されている。今回、イタリアPistoia、Spedali RiunitiのF. Tesi氏らは、性差および過去の体重増加の有無で補正した後でも、喫煙習慣とメタボリックシンドローム発症に関連があるか検討し、その結果をG. Seghieri氏が9月12~16日にポルトガル、リスボン市で開催された第47回欧州糖尿病学会(EASD)で報告した。
本研究の目的は、(1)喫煙習慣とメタボリックシンドロームの関連に性差があるのか、(2)体重増加と喫煙率には負の相関があることが知られているが、過去の体重増加で補正した後でも、喫煙とメタボリックシンドロームの関連が認められるのか、検討することである。

本研究の対象は、直近の3年間に、肥満あるいは過体重の食事療法を受けるためにTesi氏らの施設の減量外来を受診した連続1,429例(男性527例、女性902例)で、解析に必要なデータは医療記録から抽出した。メタボリックシンドロームの有無はATP IIIの診断基準に従って判定した。また、18歳時の体重、喫煙習慣についても医療記録から抽出した。喫煙習慣が1年以上の症例を喫煙群とし、喫煙習慣が1年未満の症例は解析から除外、それ以外の症例を非喫煙群とした。

メタボリックシンドロームの有病率は男性27.5%、女性15.1%と、男性の方が有意に高く(p=0.0001)、喫煙率も男性28%、女性21%と、男性の方が高かった(p=0.004)。年齢(平均値±SD)は男性45±14歳、女性46±14歳、18歳時からの体重増加量は男性22±12kg、女性22±13kgと性差は認められなかったが、18歳時のBMIは男性の方が有意に高かった(24±3 vs 22±3kg/m2、p=0.0001)。

喫煙群と非喫煙群を比べると、18歳時からの体重の増加量は、女性では喫煙群の方が有意に少なかったが(19±12 vs 22±12kg、p=0.0001)、男性ではこうした傾向は認められなかった(22±13 vs 22±12kg)。

喫煙とメタボリックシンドロームの関連を見ると、年齢、18歳時のBMI、18歳時からの体重増加量、糖尿病の家族歴で補正しても、性別にかかわらず喫煙習慣がメタボリックシンドロームの有意な因子であり、そのオッズ比(95%CI)は男性では1.77(1.05~2.99)、女性では1.78(1.08~2.94)であった。

また、メタボリックシンドロームの構成因子の中で、男性における脂質異常症だけが喫煙率の上昇と有意に関連しており、オッズ比は2.31(1.39~3.83)であった。喫煙群では、喫煙本数の増加に伴ってメタボリックシンドローム有病率は僅かではあるものの有意に増加した(R2=0.048、p=0.001)。

以上の検討からSeghieri氏は、「肥満、過体重の患者では、性別にかかわらず喫煙習慣があるとメタボリックシンドロームの発症リスクが約80%上昇する。リスク上昇は18歳時からの体重の変化とは独立して生じていた」と結論した。また同氏は、「喫煙がメタボリックシンドロームの発症リスクを上昇させる機序として、喫煙によるインスリン抵抗性の増悪が考えられる」と話しをまとめた。