お電話はこちら 06-6991-0225
  • お問い合わせ
  • English
column

コラム

title

コラム

脳:発達に刺激不可欠 大阪大大学院教授、ラット実験で解明

 

 

生物の脳が生後に発達する際、外部からの刺激が重要な役割を果たしていることを大阪大大学院生命機能研究科の山本亘彦教授(発生神経生物学)がラットの実験で確かめ、米科学アカデミー紀要に発表した。

 

 

 

動物の脳は、遺伝子の情報に基づいて各部位が作られ、出生前にほぼ出来上がる。しかし生後の脳がどのように発達するかは未解明の部分が多い。

 山本教授らは生後2~3週のラットの脳から、神経伝達物質を大脳へ送る役割を持つ視床と大脳の部分を切り取って培養し、神経細胞の活動と神経回路が増える様子を観察した。そのまま培養した場合は、両者の神経細胞が活発に活動し、回路の枝分かれも多く作られた。しかし、活動を抑制する物質を投与して 培養すると、回路の枝分かれは極端に減った。

 どちらの実験も外から人為的な刺激は与えていないが、神経細胞が活発化している際には、生体内で脳が外部刺激を受けた時に起こすのと同じ現象が見られた。このことから、培養中の細胞も何らかの外部刺激を受けていると判断。脳の発達には外部刺激が欠かせないと結論づけた。

 山本教授は「脳は回路の発達ばかりが進んでも感覚異常などにつながる。外から刺激を受けて神経回路が発達すると同時に抑制も働き、それらの積み重ねでバランスよく脳が形成されていると考えられる」と話す